Racines Wines Land

2026/06/01

【来日レポート】ファタローネ『プリミティーヴォの知られざる本質』


先月、南イタリア・プーリア州からラ来日したファタローネ(Fatalone)の当主、パスクアーレ・ペトレーラ氏。

 

滞在期間はわずか3日間という強行スケジュールでしたが、

「日本の市場や飲み手の皆さんをもっと知りたい、自分たちのワイン造りを伝えたい!」という熱い想いを胸に、各試飲会で熱心に、パワフルにお話をしてくださいました。

 

今回の来日で彼が特に力を込め、

参加した皆さまの関心を集めたのが、プリミティーヴォというブドウ品種の「知られざる本質」について。

 

▽ イベントレポートの全容はこちらからご覧いただけます。

https://racines.co.jp/?page_id=27522

 

❖❖❖ プリミティーヴォを輝かせる「二番果(ラチェーミ)」の秘密 ❖❖❖

プーリアの代表的なブドウである「プリミティーヴォ」は、濃厚な果実味、アルコール度数の高いワインというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

 

パスクアーレは「ただアルコールが高くて濃厚なだけでは、5年以上美しく熟成させることは難しい。私たちが目指すのは、しっかりとした酸を保ち、土地の個性をきれいに表現したワインです」と語ります。

 

その理想を叶える鍵が、

プリミティーヴォ特有の性質である「ラチェーミ(二番果)」の存在。

 

プリミティーヴォは果皮が非常に薄く、酸化しやすいため、ファタローネではすべて手作業で丁寧に収穫を行います。20人以上の収穫人と2週間ほどかけて行う大仕事ですが、その間にも夏の強い日差しによってブドウの成熟はどんどん進んでしまいます。

 

ここで大活躍するのが「ラチェーミ」です。

ラチェーミとは、一番果(最初に実るブドウ)とは別に、後から副梢(枝)に実る「二番果」のこと。地中海周辺の数ある品種の中でも、プリミティーヴォほどこの二番果をたくさんつける品種は他にないそう。

 

一番果が熟す頃、ラチェーミはまだ青くて酸っぱい状態ですが、ブドウの樹は不思議なことに一番果への栄養供給をゆるめ、次にこのラチェーミへと栄養を送り始めます。この自然のメカニズムのおかげで、一番果が熟しすぎる(過熟する)のを防ぎ、ワインに絶対に必要な「豊かな酸」と「清涼感のある香り」を保ったまま収穫することができるのです。

 

効率を重視する現代のワイン造り(機械収穫など)では、この二番果は邪魔ものとしてあらかじめ落とされてしまうことがほとんど。なおかつ一番果の収穫が終わった後の10月に、わざわざもう一度人手を集めて収穫するのは、大変な手間とコストがかかります。

 

「このラチェーミの存在があるからこそ、私たちは素晴らしい赤ワインを造ることができる。だからこそ、ラチェーミの生命力を讃え、その個性をそのままワインにして届けたいんだ」と強く語るパスクアーレの情熱から生まれたのが、ラチェーミ100%で造られるワイン『テレス(Teres)』というロゼワイン。

 

10月の涼しい夜を経て、ゆっくりと熟したラチェーミから造られる『テレス』は美しい色合いで、清涼感があり、心地よい酸が染み渡るような1本です。

 

ラチェーミのおかげで最高のバランスで収穫された一番果からは、エレガントで奥深い赤ワイン『ジョイア・デル・コッレ プリミティーヴォ』や、さらに熟成能力の秀でたタンクを厳選して樽熟成させた『リゼルヴァ』が造られています。

 

「過熟したブドウを使わず、過度な抽出もせず、樽のニュアンスも強すぎないこと。それこそが、私たちの土地の品種の個性を表したワインなんだ」と話すパスクアーレの温かい人柄と、自然へのリスペクト、ワインへの深い愛情に、スタッフ一同、あらためてファタローネのワインが大好きになりました。

 

これまでの濃厚な南イタリアの赤というイメージを覆す、みずみずしい酸としなやかな気品。ぜひこの機会にファタローネのワインをじっくりとお楽しみください!

 

▽ ファタローネ(Fatalone)一覧はこちらから

https://www.racineswinesland.com/view/category/ct179